私たちは、あなたが農あるライフスタイルを実現できるよう、卒業後も精一杯サポートしていきます。卒業生が使える広めのシェアファームを用意したり、販路をご紹介したりと様々なサポートが受けられるよう徐々に体制を整えております。
農あるライフスタイルの実現には同じ価値観を持った「仲間」の存在が重要です。カレッジでともに学んだ同期や先輩卒業生と連携することで時には助け合い、時には競い合い、楽しみも苦しみも分かち合いながら、充実した時間を過ごすことができます。
卒業があなたのスタートラインです。ぜひ仲間と共に一歩を踏み出しましょう。
SFC(スモールファーマーズカレッジ)の卒業後、進路は大きく二つに分かれます。
一つは農業で生計を立てる方、もう一つは週末農業など、農的ライフスタイルを目指す方。
もちろんこれ以外にも農との関わり方は千差万別です。
四人の卒業生のストーリーです。
■村田さんご夫妻(40代)
会社員を続けながら、週末を使って仲間と半農半Xを実践中

入学前:会社員
卒業後:会社員を続けながら、週末農業の半農半X(エックス)
ご実家が農家の村田さん。ご自身の農業技術を高めるためSFCに入学されました。卒業後は平日は会社員として働きながら週末に農作業とSFC卒業生の仲間とのイベントを楽しまれています。SFCの卒業生数名といっしょにお店を開き、自分たちで作った有機野菜を販売したり、「採りたて野菜と日本酒を楽しむ会」を定期的にイベントとして開かれています。また米作りもチームでおこなっており、天日干しを行う天日米作りに毎年取り組まれています。
「なかなか土日だけの作業なので草には困らされておりますが、楽しくやっています。どの活動もSFC卒業生が自主的に集まって行っているものです。あと小麦も2017年からやってます。小麦栽培して、製粉してみなでピザを焼きました。釜も手作りしましたよ。小豆栽培してぜんざい食べたり、エダマメを自然栽培してずんだ餅作ったり、とにかくみんなで楽しんでいます。」
今後は仲間との週末農業生活を楽しみつつ、自らの農業技術を磨くために農業関係の検定試験にも挑戦されるとのことです。

■松尾さんご夫妻(60代)
夫婦で段々畑から海の見える里山へ移住し農的セカンドライフをスタート

入学前:会社員
卒業後:定年後農的ライフを満喫
日本海の見渡せる段々畑にご夫婦で住まいをかまえ、あこがれの農的暮らしを始められました。とにかく農を楽しむことを第一に、活動の幅を広げられています。
「SFC卒業後、3年前に移住して気楽に好きな事をやっています(笑)。ついつい拡大してしまい野菜を作りすぎてしまうのですが、あまった野菜は近くの直売所に売ったり、仲間に販売したりしています。有機・無農薬で栽培してきていますが
土壌もよくなってきており不耕起での自然農がターゲットです。稲作も行っていますが、粘り・食味は合格ですが未熟粒ができるのが課題ですね。たくさんの卒業生に近くに移住してもらってもっと楽しい農的暮らしをみなさんとやっていきたいと考えてます。」
並々ならぬ研究心をお持ちの松尾さん、こだわりの自家製堆肥の材料は近くで集めています。落ち葉を主体に、雑草、米ぬか、残飯、壁土、蟹殻・牡蠣殻など地のものをブレンドし、発酵させてプロ顔負けの堆肥を作られます。また、段々畑の地下水の流れの研究をするなど「農」を様々な側面から楽しむ姿は卒業生のあこがれでもあります。
今後は高齢化、離農が進む地域でのオリーブ栽培での村おこしやアグリツーリズムの活動を行っていかれるとのことです。
■市原さん(40代)
生まれ故郷へUターンして独立・就農

入学前:会社員
卒業後:就農。1haで様々な野菜を年間20品目栽培
「もともと農業には興味があり、いつかは郷里の鹿児島に帰って農業をしたいと考えていました。ただ、実家が農家というわけではなく、農地もありませんでした。何となく農へのあこがれはあったものの、具体的な行動に移すことはなく10年が経ち、京都へ転勤になったときにたまたまスモールファーマーズのホームページを見つけました。週末で有機農業を学べるという点に興味を持ち、本当に自分に農業がやれるのか、向いているのか、将来就農してやっていけるのかどうかを見極めるために入学しました」
スモールファーマーズを卒業後、さらに1年の農家研修を経て独立就農されました。
現在は1ヘクタールの土地でほうれん草、玉ねぎ、ピーマンなど年間20種類の野菜を栽培されています。
今後は体験農園の運営や仲間とともに地域の伝統野菜である国分大根の復活に取り組まれるとのことです。
■水田さんご夫妻(30代)
都会から里山へ子供と一緒に移住し、念願だった農的暮らしをスタート

入学前:大学研究職
卒業後:山口県に移住し、地域おこし協力隊をしながら田舎暮らしを満喫
SFCを卒業後、四人家族で農的な田舎暮らしを求めて移住された水田夫妻。地域おこし協力隊としても奮闘されています。
「将来的には移住したいと思っていました。ただやはり仕事をどうするか?生活をどうするか?で悩んでいました。SFCに入学してから1年ほど移住地を探してましたが、最終的に親に孫の顔を見せたいという思いもあり、生まれ故郷の近くにUターン移住することになりました。最後の決め手は移住先の夕日が美しかったことですね(笑)。有機農業がさかんな地域ということもありました。子供が泥だらけになって遊び、薪運びなど家の仕事を手伝ってくれる、教育環境としても最高の場所と思っています。地域おこし協力隊として3年間活動した後、就農することを考えています。」
きっちりと収支計画も立てた上で、色々な地域の移住者の話を伺い、移住先を決められた水田さん。理想の農的暮らしの実現に向けて家族で楽しく奮闘されています。