1年間の学習プロセス
――「羅針盤」を使いこなし、自分なりの農を形にする。
SFCでは、1年を通じて「実習(栽培実習、課外授業)」「座学(栽培理論、農の知識)」をバランスよく組み合わせ、頭と体の両面から学びを深めます。
栽培実習:40種類の野菜栽培
年間約40種類の野菜を、講師の指導のもと実際に栽培します。1人約20㎡の「個人専用区画」で、自分で土づくりから収穫までを実践します。
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基準を作るための「耕起(耕す)」体験: SFCでは最初に、クワや耕運機を使った一般的な耕す方法を学びます。これは、土の重さや手触りといった「基準」を身体に刻むためです 。この基準があってはじめて、不耕起(耕さない)栽培などの応用的な判断が可能になります 。
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周年栽培のマスター: 春夏(トマト、ナス、キュウリ等)から秋冬(ダイコン、ハクサイ、タマネギ等)まで、1年間のサイクルを網羅します 。これにより、常に野菜を自給、あるいは出荷し続けられる感覚を養います。
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失敗をデータに変える: 30人の仲間がいれば、30通りの失敗と成功のパターンを共有できます 。一人の1年を、30年分の学びに凝縮できるのがSFCの強みです 。











■春夏に栽培する野菜例
ジャガイモ、ナス、トマト、ミニトマト、甘長トウガラシ、キュウリ、コマツナ、ホウレンソウ、レタス、シュンギク、ツルムラサキ、ショウガ、インゲン、モロヘイヤ、シソ、サトイモ、ラッカセイ、エダマメ、カボチャ、サツマイモ、トウモロコシなど
■秋冬に栽培する野菜例
ニンジン、ネギ、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、コマツナ、ミズナ、チンゲンサイ、サンチュ、サニーレタス、シュンギク、ホウレンソウ、ダイコン、カブ、コカブ、イチゴ、タマネギ、ラッキョウ、ニンニク、ソラマメ、エンドウなど
※入学時期によって個人区画で栽培できる作物に一部違いがあります。
<実習のカリキュラム例>
①土づくりと土壌管理:健康な野菜を育てるための土壌の理解と改良方法。
・自分で出来る土壌診断、土質ごとの土壌改良、診断に基づく土づくり
・太陽光による土壌消毒および団粒構造づくり
・自然堆肥づくり
・様々な土づくりの実証実験
・緑肥作物の効果と使い方
②栽培の基本技術:野菜を育てるための実践的な作業技術。
・種まき、育苗、苗の植え付け、追肥、中耕、土寄せ、除草、間引き、誘引、摘芯、摘芽、摘蕾、摘花、摘果、収穫
③畑づくりと栽培設備:畑の構造や栽培環境を整えるための技術。
・畝の種類と立て方
・支柱の立て方
・マルチの張り方
・ベタがけ、トンネルの張り方
・ロープワーク
・季節に応じた栽培技術(遮光・保温など)
④農具と資材の使い方:栽培を支える道具や資材の選び方と使い方。
・農具全般の使い方
・耕運機の種類と使い方
・刈払い機(草刈機)の種類と使い方
・資材・肥料の選び方と使い方
・ボカシ肥料
・アミノ酸肥料
・ミネラル肥料の効果と作り方
⑤生態系を活かした栽培管理:農薬に頼らず、自然の仕組みを活かした管理方法。
・雑草の種類と特徴
・農薬を使わない雑草管理(共生・抑制)
・有機栽培における病害虫の種類と対策
⑥作付け計画と農業設計:持続的に栽培するための計画づくり。
・作付け計画の立て方
・輪作、連作障害
・コンパニオンプランツの種類と効果
⑦収穫後の活用と保存:収穫物を長く活かすための技術。
・野菜の保存方法
・保存食づくり(味噌など)
⑧自然の仕組みとつながり:自然界の仕組みや、人・土・植物の関係を理解するための基礎知識。
・自然界の動植物は、なぜ病気にならないのか
・人の健康と野菜の健康
・腸の微生物と土の微生物

↑先生が各自の個人専用区画をまわって個別にアドバイスも行います。
栽培理論:科学的・論理的な裏付け
「なぜそうなるのか?」という原因を理解するための、栽培の考え方を学びます。
経験や勘だけに頼るのではなく、どんな環境でも応用できる栽培技術を身につけます。
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土壌学と植物生理学:健康な土の構造や、植物が肥料を吸収する仕組みを科学的に理解します。
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病害虫の生態学:虫や病気を「敵」として排除するのではなく、発生する環境条件(仕組み)から予防策を考えます。
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多様な農法の比較:特定の農法を否定せず、慣行農法、有機農法、自然農法などの特徴をフラットに学習し、自分に合うものを選べる力を養います。


↑ご自身のペースで自宅でオンライン座学を受けます。一つの動画は10分から30分程度の長さです。

↑月に1回程度、畑から徒歩数分の室内で重要ポイントの復習やグループワークをして理解を深めます。
<座学のカリキュラム例>
① 栽培の基礎と作付け計画:野菜栽培の全体像と、季節に応じた計画づくりを学ぶ。
・栽培の流れ(播種から収穫までの一連の基礎)
・季節ごとの作付け計画(栽培計画)の立て方
・健康な野菜を育てる為の条件
② 土壌と微生物の科学:野菜を育てる基盤となる「土」の仕組みを理解する。
・健康な野菜が育つ「理想の土」とその構造
・地域による土の違いと肥えた土の正体
・根の周りの微生物の重要性
・土壌分析手順と分析結果の見方
・土壌改良方法
③ 植物の体の仕組み(植物生理):野菜がどのように成長するかを科学的に理解する。
・野菜の体の仕組みと生長の条件
・作物の生長と炭水化物との関係
・養分が作物の中でどのように役立っているか
④ 肥料と養分管理:植物の栄養と肥料の設計を理解する。
・有機肥料・化成肥料など様々な肥料とその違い
・健康な野菜を育てるための肥料の種類と量の設計方法
・堆肥の理解と適切な堆肥の作り方
⑤ 作物の品質と種:野菜の品質や遺伝的基盤を理解する。
・ビタミンなど機能性成分の多い野菜を作るには
・種にまつわる最新技術
・良い種を選ぶための基礎知識
⑥ 病害虫と栽培リスク管理:作物の健康を守るための管理方法を学ぶ。
・病害虫の予防と対策
・化学農薬に関するリスク
⑦ 農業と環境:環境・社会:農業を社会・環境の中で理解する。
・様々な農法の比較(自然農法・有機農法・慣行農法など)
・地球レベルの物質循環
・農業と環境問題 他

↑初心者にもわかりやすいオリジナルテキストを使って学びます。生物や化学が苦手な方もご安心ください。
農の様々な知識(農ある暮らしを具体化する技術・知識)
①農地に関する基礎知識
・農地の探し方、優良農地の見つけ方とチェックポイント、賃貸、売買の手続きと地代相場など
・農地に関する法律(農地法、農業経営基盤強化促進法など)
・新規就農のステップ、行政手続き、助成金制度など
・地域とのコミュニケーション
②半農半X、新規就農について
・営農計画の作り方
・あなたの個性を活かした小規模農業の始め方
・体験農園運営などの農業サービス業の始め方
課外授業:多様なロールモデルとの出会い
教室や自校の畑を飛び出し、多様な農業の現場を訪ねます。

↑実際に農家を訪問して、直接現場を見たり、話を伺ったりする機会は大変貴重です。授業日以外にも、卒業生も含め様々な農家訪問の機会を用意しています。
SFCでの1日の過ごし方
SFCでは、週末の9時から17時までを使い、畑での「実習」と教室での「座学」をバランスよく組み合わせた一日を過ごします。 ※以下は一例です。天候や作物の生育状況、季節によって最適なスケジュールを組んでいます。
▼9:00〜12:00【畑で実習】
畑で、講師による実演・解説(90分程度)が行われます。その後、各自の「個人専用区画」で作業を行います。種のまき方から支柱の立て方まで、実際に手を動かすことで体の使い方の感覚を養います。

▼12:00〜13:00【昼休み】
屋内施設(リオス)や近隣の食事処で休憩。仲間たちと、畑での気づきや日常の話題を共有する大切な交流の時間でもあります。
▼13:00〜15:00【屋内で座学】
事前にオンラインで予習した内容をベースに、重要ポイントの解説やグループワークを行います。「なぜそうなるのか?」というロジックを深掘りし、納得感を高めます。

▼15:00〜17:00【午後の農作業・片付け】
午前中の続きや、収穫、資材の管理などを行います。作業が終わり次第、解散となります。
▼自分のペースで深める「オンライン学習」
栽培理論は、自宅で視聴できる「オンデマンド動画」としても提供しています。1本10〜30分程度にまとめられており、通学前の予習や、移動中の復習など、忙しい社会人でも自分のリズムで学習を進められます。
継続と本気を支える制度
――ライフスタイルの変化に寄り添い、確実な習得をサポートする。
「農ある暮らし」への挑戦は、一朝一夕には成し遂げられません。仕事や家庭、急な環境の変化があっても、あなたが本気で学び続けられるよう、5つの柔軟な制度を用意しています。
- 受講フリー(振替自由)制度:土曜・日曜の両日開催されているクラスでは、都合に合わせて振替受講が可能です。また、「より理解を深めたい」という方は、同じ講義を追加料金なしで二度受講することも歓迎しています。農家や外部講師への丸投げではなく、専任講師だからこそ可能な制度です。
- 講義動画の視聴制度:すべての講義はビデオ録画されており、欠席した際や復習したい時にいつでもインターネット経由で視聴可能です。内容に関する質問は、メール等で随時受け付けています。卒業後も動画アーカイブが視聴できます。
- 家族同伴制度:「農」をこれからのライフスタイルにするには、ご家族の理解が欠かせません。SFCでは、ご家族1名の同伴受講(追加料金なし)が可能です。パートナーと一緒に学び、共通の未来像を描く場として活用してください。
- 無料再受講制度:修了後1年間は、同じコースを無料で再受講できます。卒業後に自力で栽培を始めると、必ず新たな疑問が生まれます。実践を経てから再び授業を受けることで、学びの質はより一層高まります。
- 休学・途中退学制度:急な転勤や家庭の事情など、社会人には予期せぬ変化がつきものです。最大1年間の休学制度や、やむを得ない場合の未受講分返金制度(規定あり)を整え、安心して一歩を踏み出せる環境を提供しています。